コンサドーレ札幌MF小野伸二(39)が、J2琉球移籍前ラストマッチとなる10日浦和戦(札幌ドーム)で最後の勇姿をサポーターに見せる。9日、会場での前日練習後、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)が「これまで彼がクラブに対して貢献してきたことを考えれば、最後の試合でメンバー入りするのは、我々としては当然の敬意だ」と、小野のリーグ戦8試合ぶりベンチ入りを明言した。さらに「できることなら、少しでも試合の中で起用していきたいという思いがある」と、今季初出場の可能性も示唆した。

小野は6シーズンを過ごした札幌での最後の練習も、いつも通り笑顔で楽しそうだった。「これで終わりじゃないので。サッカーは続いていくし、とにかく試合に勝つことだけ集中して」。移籍発表から5日間、全体練習でチームメートとメニューを消化し準備を整えた。「何か縁があるのかな」と言う、プロ生活をスタートさせた浦和が相手。勝ち点2差で、負ければ順位を逆転される。上位進出を目指すチームにとっても大事な一戦だ。

この日、練習前のミーティングでは、仲間に感謝の気持ちを伝えた。「素晴らしい選手、スタッフに出会えた」とあいさつ。その言葉に、FW鈴木武蔵(25)は「気合が入る。絶対に負けられない」。指揮官も「できるだけ、いい形で送り出したい」。チームはより結束力を高めた。「また明日会えるように」と、さわやかに会場を後にした背番号44。最後にこの街を躍らせる。【保坂果那】