「駅前留学」でおなじみのNOVAがサッカーJ3グルージャ盛岡を強力サポートする。同チームを運営する株式会社いわてアスリートクラブは25日、盛岡市内で会見を開き、NOVAホールディングスとパルコホールディングスが株式譲渡契約を締結し、NOVA側が51%を握る筆頭株主になると発表。

すでにJリーグの理事会でも承認され、新体制で船出する。

盛岡はJ2、J1昇格の夢に向かって外国語学校、学習塾、バスケットボールB2広島などが傘下に入るNOVAグループの一員になった。クラブ名、エンブレム、ユニホームの色、マスコットの変更はなく、同社からスタッフ派遣を受けたり、手厚いサポートが始まる。クラブの予算面でも現状の約2・8億円からJ3富山、秋田と同程度の4・5億円前後を目指す。

NOVAの稲吉正樹社長(50)は試合観戦した際に「ボランティアの中高生らが一生懸命ごみ集めをしたり、グッズ販売を手伝ったり、地域の温かさを感じた。自分の会社でお手伝いできるのではないかと思った」。チームはリーグ最下位と低迷するが「来季は選手、スタッフと最高の編成をして優勝できるようなチームづくりをサポートする。(いずれは)J1に昇格して優勝もできるような奇跡を起こせるクラブにしたい」と意気込む。

ただし昇格への道は険しい。J2は1万人以上を収容するスタジアムが必須。自動昇格圏の2位以内に入っても、ホームのいわぎんスタジアムは4946人収容で条件を満たさない。さらに照明設備がなく、22年6月までに設置しなければJリーグから除名される。昨年、J2町田もサイバーエージェント傘下に入り、練習場が整備されるなど恩恵を受けた。盛岡も自治体、岩手県サッカー協会と照明設置を急ぐ中でNOVAという“助っ人”が現れた。現状を好転させるチャンスを生かしたい。【山田愛斗】