【チェンマイ(タイ)14日=西塚祐司】北海道コンサドーレ札幌の就任3年目、ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)が、守備改革に着手していく。

14日、第1次タイキャンプがスタートした。指揮官は昨季から改善すべき点に、1試合平均1・44でリーグ全体10位の失点をピックアップ。過去2年で磨いてきた攻撃的サッカーを継続したまま、守備面を修正してシーズンに備える。

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札幌のシーズンが今年もタイからスタートを切った。チームは13日にキャンプ地のチェンマイに入り、この日は午前と午後の2部練習を行った。練習の最後には10対10の実戦も行い、メンバーは初日からハードなメニューをこなした。ペトロビッチ監督は「まだ始まったばかり。守備に関して、しっかり個人のレベルアップ、判断の意識付けを求めていきたい」と話した。

攻守ともに高いレベルに引き上げる。攻撃的なサッカーを好む就任3年目のペトロビッチ監督は、守備よりも攻撃に力を注いできた。昨年の得点数は1試合平均1・58のリーグ4位に対し、失点数は平均1・44点の同11位。昨季最終戦の川崎フロンターレ戦後、シーズンを振り返り「プロフェッショナルに戦っていくためには、守備のところをもっと強調して選手に伝えていかないといけない」と失点を課題に挙げていた。

求めるのは個人の「デュエル(競り合い)」だ。ミシャ・サッカーでは前線に選手を割くため、必然的に自陣の人数が少なくなる。特にカウンターを受けた場合の1対1の局面では「自信を持って相手に競り勝ち、ボールを奪わないといけない」。今季からの練習では「その部分を指導していきたい」と意欲を見せた。

キャンプでは過去2年間ではなかった、1対1の守備練習も今後は取り入れていくという。最終ラインの一角であるDF福森晃斗(27)は「守備は個人的な課題でもある。良い守備できるように体に染み込ませていければ、おのずと失点は減る」。これまで届かなかった、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場に向け課題を克服していく。

長所はいかす。今季は昨季の選手がほぼ残留した。攻撃面を磨き上げ、成熟したメンバーだからこそ、守備面での上積みに着手できる。「攻撃の良いところを消さずに守備の悪いところを消していけば、良い方向に向かっていく」と福森。守備が首尾よくまとまれば、さらなる上のステージに立つ。