清水エスパルスがまた、満員のサポーターを失望させた。観客1万7549人を迎えたホーム開幕戦。後半2分、新加入のティーラシンが、最終ラインの裏に抜け出して右足で先制点を決めた。「連係も良くなってきた。700ゴールの節目はうれしい」。しかし、その後は3連続失点。「結果は望んだものでなかった」。言葉通り、試合は暗転した。

終盤、攻撃の人数を増やした相手の猛攻に屈した。同32分にPKで同点を許し、3分後に勝ち越し弾を献上。ロスタイムに再びPKで追加点を奪われた。ピーター・クラモフスキー監督(41)は「流れをつかみかけたが、相手の選手の質にやられてしまった」。運動量が落ち、陣形が間延び。空いたスペースを自由に使われた。FW金子翔太(24)は「歯がゆい内容。90分通した試合運びを見直したい」と振り返った。

昨季はリーグ最多69失点。最終節まで残留争いを続けただけに、守備の立て直しは急務だ。だが、16日のルヴァン杯アウェー川崎フロンターレ戦(1-5)に続く大量失点。改善の兆しは見えない。次は中2日で26日、同杯アウェー名古屋グランパス戦に臨む。「成熟度を上げていきたい」と金子。試合を重ねる度に課題をつぶし、光明を見いだすしかない。【古地真隆】