ヴィッセル神戸は22日、ドイツ人のトルステン・フィンク監督(52)の電撃退任を発表した。今季末まで契約は残っていたが、21日に本人が家族の問題を理由に辞意を申し出た。側近のコーチ3人も退任し、23日のサガン鳥栖戦(ノエスタ)は、アシスタントコーチのマルコス・ビベス氏(45=スペイン)が暫定指揮を執る。

昨年6月に途中就任したドイツ人監督は、天皇杯でクラブを初タイトル獲得へと導き、今季も富士ゼロックス・スーパー杯で優勝し、クラブ史上最大の功績を残した。一方で今季J1リーグ戦では最近7試合未勝利、ホームでも7戦白星がなく12位に低迷。残す目標は事実上、中断中のACLしかなかった。

同監督はコロナ禍でドイツに残した家族と約8カ月も会えておらず、今月中旬には母国で退任報道も出ていた。ただ途中退任した背景には、極度の成績不振があったのは間違いない。同監督は「私は家族の元に戻るという決断をした。このクラブの監督であったことを誇りに思う」などとコメントした。

4年連続となるシーズン途中で監督交代が起きた神戸は、次々節26日北海道コンサドーレ札幌戦(ノエスタ)以降、元日本代表MFで強化責任者の三浦淳寛スポーツダイレクター(46)が監督代行に就く流れだ。スペイン紙マルカのメキシコ版で、元日本代表監督のハビエル・アギーレ氏(61=メキシコ)が、Jクラブから就任の打診を受けたと報じられたように、神戸が交渉する可能性はある。ただ新型コロナウイルス感染拡大により、就労ビザなどの問題で外国人監督の就任は簡単ではなく、三浦体制が当面続くことも考えられる。

◆三浦淳寛(みうら・あつひろ)1974年(昭49)7月24日、大分市生まれ。長崎・国見高から青学大へ進み95年横浜F入り。横浜、東京V、神戸、横浜FCでプレー。日本代表は99年に初選出。00年アジア杯、01年と05年のコンフェデ杯などに出場し国際Aマッチ25試合1得点。00年シドニー五輪はオーバーエージ枠で出場して8強入りに貢献。11年で引退し、18年から神戸のフロント入り。現役時代は175センチ、73キロ