J2アルビレックス新潟は19日、酒気帯び運転などの疑いで書類送検されたFWファビオ(23=ブラジル)とFWペドロ・マンジー(32=スペイン)との契約を解除したと発表した。

同日の臨時取締役会で決めた。発覚後も両選手は練習に参加し、Jリーグへの報告もなく、アルベルト監督はファビオをリーグ戦6試合に起用していた。是永大輔社長は新潟市内での記者会見で「道義的に間違っていた」と謝罪し、12月31日まで100%の減俸。玉乃淳ゼネラルマネジャー(GM)はけん責とし、年末まで報酬を自主返納する。

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午後3時から始まった記者会見。18社32人の報道陣の前で是永社長は約1時間40分の質疑応答の間、「判断ミス」を繰り返した。

-今回の処分について

是永社長 初動で間違った判断をしてしまった。今になり後悔している。

-なぜ約1カ月も公表しなかったのか

是永社長 正式な書類送検を待った。ただ、ファビオの飲酒運転を知った時点で公表すべきだった。

-もし書類送検されなかったらこのまま公表しなかったのか

是永社長 事実が明らかになったら、公表しようと思っていた。

-Jリーグへの報告が遅れた理由は

是永社長 任意捜査が全て終了することを待っていた。ただここまで時間がかかると思っていなかった。

-事案発生時、誰が事態を把握していた

是永社長 17日の時点で私、玉乃、アルベルト監督が把握した。

-任意捜査中とわかりながらアルベルト監督は両選手の練習参加を認め、ファビオを6試合で起用した

是永社長 警察に確認したところ、任意捜査期間中の試合への出場と練習参加についてはクラブの判断に任せると言われたことを監督に伝えた。

-アルベルト監督に責任は

是永社長 ないと思っている。あくまで監督はオン・ザ・ピッチを考える立場。選手のプライベートは私と玉乃の役割」

-監督がファビオを起用し続けたことに後ろめたさは感じなかったか

是永社長 今思えば失敗だった。本当に恥ずかしいと思っている。

-任意捜査中のファビオとマンジーの様子は

是永社長 両選手とも反省している。特にファビオは、全て自分が悪い、ここまで生活を支えてくれたクラブに申し訳ないと言っている。と報告を受けている。

-15日に全選手へ報告したときの反応は

是永社長 話が進むにつれて、顔色が変わっていった。ただ誰も意見はしなかった。

-J1昇格を目指す上で、監督と選手の信頼関係が崩れないか

是永社長 しっかり選手からの意見を聞きながら対応していく。

-自らの進退は

是永社長 ここで投げ出すことは考えていない。ただ辞任の声が多くなった時は、辞める覚悟はある。

再発防止のため是永社長は今後、コンプライアンス対策委員会の設置、全選手を対象とした飲酒運転を含むコンプライアンス講習会の実施を行っていくとした。

◆酒気帯び運転から処分発表までの経緯◆

9月16日 ファビオ、ペドロ・マンジーら選手3人とスタッフ1人が新潟市内の公園で飲酒。フォビオが自家用車で帰宅途中、17日午前1時~2時の間に新潟県警の交通取り締まりを受け酒気帯び運転が発覚。

同17日 スタッフからクラブに報告があり、是永社長、玉乃GMとアルベルト監督が、ファビオが交通取り締まりを受けたことを把握した

同18日 ペドロ・マンジーが取り締まりの直前まで同乗していたことをファビオが県警に伝える

同23日 A愛媛戦0△0、ファビオ(先発90分)

同26日 H甲府戦1△1、ファビオ(サブ45分)

同30日 A琉球戦1○0、ファビオ(サブ45分)

10月4日 H町田戦4○0、ファビオ(先発64分)

同10日 A京都戦2○1、ファビオ(先発79分)

10月12日 第三者からの通報で事案を知ったJリーグが、新潟に問い合わせ

同13日 玉乃GMが事案についてJリーグに報告したが、選手名は伝えず

同14日 是永社長が事案についてJリーグに報告したが、選手名は伝えず。H福岡戦1●2、ファビオ(先発90分)

同15日 県警の任意捜査が終了。ファビオとペドロ・マンジーが書類送検される見込みとなる。ほかの2人はファビオが車で公園に来たことを知らなかったことが警察の任意捜査で判明。午後8時ごろ是永社長がZoomで新潟の全選手に事案の概要を説明。同40分、クラブHPで公表し、報道発表

同16日 ファビオとペドロ・マンジーが酒気帯び運転などの疑いで書類送検される

同19日 午前9時からの臨時取締役会で両選手と是永社長、玉乃GMの処分が決定。午後3時から記者会見