セレッソ大阪は20日、クラブ出身で元日本代表MF香川真司(31)に正式に復帰要請したことを認めた。

森島寛晃社長(48)と梶野智チーム統括部長(55)が記者会見し、元監督のレビークルピ氏(67=ブラジル)の8年ぶりの監督復帰を発表。香川にとって最大の理解者である指揮官の就任で、10年半ぶりとなるJリーグ及び古巣復帰が現実味を帯びてきた。

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日本代表や世界で活躍してきた香川が、10年半ぶりにC大阪へ電撃復帰するかもしれない。レビークルピ氏の8年ぶり4度目の監督復帰が発表された席上、同氏の愛弟子だった香川について質問が出た。

梶野チーム統括部長は、香川へ正式に復帰要請したことを明言した。「我々は今夏、10月、今も声をかけている。彼はフリー(無所属)なので、どのタイミングでも(C大阪に)入れる。(決断は)彼次第」と言及。MF乾貴士(エイバル)ら他OBにも復帰の声をかけているが、現状は香川が最優先になる。

来年6月まで契約が残るスペイン2部サラゴサを10月に退団した香川は、現在は無所属で移籍先を探している。ただ浪人生活が約3カ月にも及び、これ以上の空白期間はマイナスにしかならない。今回の復帰要請は、C大阪の最大限の誠意を投げかけた形だ。

5位、4位と2年連続で上位争いしたロティーナ監督(スペイン)とあえて契約を更新しなかった理由について、森島社長は「クラブが長く存続するためには、若い選手を育てていくことを大事にしたい」と説明。常に3位以内を維持した上で、確かな育成手腕を発揮できるのは、10年に過去最高3位に導いたレビークルピ氏だと結論付けた。

そのブラジル人指揮官を恩師と敬う香川が、同時にC大阪に戻るのは運命的でもある。10年7月にドルトムントへ旅立てたのも、指揮官の抜てきと指導があったから。以前から香川の愛着ある背番号23を空き番号にしてきたC大阪の思いが今冬、やっと実るかもしれない。【横田和幸】

◆香川真司(かがわ・しんじ)1989年(平元)3月17日、神戸市生まれ。06年C大阪に入団し、10年7月から欧州挑戦。ドルトムント、マンチェスターU、ドルトムント、ベシクタシュ、サラゴサへと移籍。08年北京五輪、W杯は14年ブラジル、18年ロシア大会代表。国際Aマッチ通算97試合31得点。175センチ、68キロ