アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ開催に暗雲がたちこめていることが8日までに分かった。ACL1次リーグは、東地区は4月21日~5月7日、西地区は4月14日~4月30日に、それぞれ1国集中開催で行われる予定。現時点で開催地は未定となっている。

アジア・サッカー連盟(AFC)から各国協会に届いた書類によると、開催地に立候補するためには今月15日の締め切りまでに、意思表示をする必要がある。だが現時点で東西地区とも正式に手を挙げている国が皆無なのだという。

昨季ACLはコロナ禍での中断以降、1次リーグ(東西地区とも)から決勝までカタールで集中開催された。だが今季1次リーグは東西で日程が重なっており、それぞれ1国ずつ開催地を決める必要がある。

立候補を難しくしている要因の1つに費用の問題がある。規定で1チームにつき1つの宿舎を確保せねばならず、部屋も1人1部屋。さらにコロナが発生した場合の隔離施設も、チームごとに用意しなければならない。今大会から出場チーム数が32から40に増えていることや移動費なども考えると莫大(ばくだい)な金額が必要だ。

また選手やファンを海外から入国させることを考えると、協会の意向だけで大会の招致はできない。行政による許可が必要だ。これらの要素をふまえて東地区について考えると、現実的に立候補可能な国は日本、韓国、中国、オーストラリア、マレーシア、タイなど一部に限られる。

この中では、オーストラリアが新型コロナをもっとも抑え込むことに成功している国と言える。年末年始にはクリケットのオーストラリア-インドのテストマッチが連戦で行われ、連日多くの観衆を集めた。またテニスの全豪オープンも1日最大3万人の入場が許可されている。同国がACL招致に興味をもっているという一部報道もあり、今後の成り行きに注目される。