小菊昭雄新監督(46)が就任したC大阪は、敵地での大阪ダービーを1-0で制して初陣を飾った。後半6分にDF松田陸(30)の今季初得点となる決勝ゴールが生まれ、全員の激しい守備で14試合ぶりの完封勝利につなげた。レビークルピ前監督の更迭からわずか2日間の準備期間を経て、新生セレッソが再スタートを切った。G大阪は2連敗となり、大阪ダービーは5戦未勝利。

46歳で初めて指揮官になった小菊監督が、歓喜の輪にのみ込まれた。「ああいう瞬間を味わえるのは、私の人生にとっても忘れられない。初陣でG大阪に勝ったのも素晴らしい1日になった」。後半6分に松田陸の豪快な決勝点が生まれた直後、選手に手荒い祝福を受けた。

松田陸は「意味ある監督交代にするためにも、やってやろうという気持ちが表れた。(ゴールは)オレが決めて、監督のところに(喜びに)行こうと思っていた」と喜んだ。

直近17試合で2勝と極度の成績不振だったレビークルピ前監督は、主力を完全固定化し、控え選手が前向きさを失っていた。

新監督はこの日、23試合連続先発してきたMF奥埜やDFチアゴの疲労を考慮してベンチ外にした。代役の19歳MF西川が10試合ぶり、故障明けの39歳FW大久保も5試合ぶりに途中出場。今季26試合目で無失点は7度目、完封勝ちは14試合ぶり。前半途中にMF清武が右膝付近を負傷し交代したのも、球際で激しい勝負を挑んだため。守備で一体感を生んだ。

「短い期間で(課題に)取り組んでくれた選手に感謝したい」と小菊監督。Jリーグの選手経験もなく、アルバイト指導者として採用されたC大阪での人生は24年。香川真司をスカウトした逸話は付いて回るが、森島社長は「誰からも信頼されているからこそ」と監督要請の理由を語る。上位再進出へ、力強い初陣となった。【横田和幸】