三菱重工浦和のベテランFW安藤梢(39)はフル出場を果たし、献身的なプレーで勝利に貢献した。

2トップの一角で先発すると、前半18分にはこぼれ球にダイビングヘッドで反応。攻撃面のみならず守備面でも激しくプレーし、うまく相手に体を入れてボールを奪うなど、高い経験値を国内初の女子プロリーグにも還元した。

後半開始直後には、FW菅沢の同点弾をアシストした。右サイドでスルーパスに反応して抜け出すと、ニアの菅沢にピタリと合わせるクロスを送り込んだ。

後半途中からはボランチを務めるなど、ユーティリティー性も見せつけた。35分頃には脚をつった様子でいったんピッチを離れたが、交代回数の上限に達していたこともあり、2分後にはピッチに戻った。

楠瀬監督は安藤のプレーに「もう、本当に素晴らしいですよね。脚をつるまで酷使したのはこっちの責任だけど、(得点場面は)39歳には思えない突破だし、ボランチに据えてもゲームコントロールできるし、頼りにしています。頼りすぎて酷使してしまったのはいけなかったけど、本当にありがたい選手です」と惜しみなくねぎらった。

監督いわく、フィジカルテストなどの数値は「安藤が一番高かったりする」という。新設されたリーグでも、なでしこジャパンの一時代を築いた攻撃力で旋風を巻き起こす。【杉山理紗】