北海道コンサドーレ札幌は湘南に1-1で引き分け、4試合を残して5年連続のJ1残留を確定させた。

前半20分、MF青木亮太(25)が先制点を決めた。後半同点に追いつかれたが、逆転を許さなかった。ホームでは6試合ぶりのゴールだった。勝ち点1を手にしたが順位は1つ下がり12位になった。

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札幌は異例の4チーム降格の今季、4試合を残して残留を確定させた。試合中に他会場の結果によってすでに決まっていたが、降格争いからの脱出へ強い気持ちで臨んだ相手から勝ち点1を重ね、降格圏17位以下と14差に広げた。シーズンを通して常にケガ人を抱え、満足な戦力では戦えていない。そんな状況でも残留を決めたペトロビッチ監督(64)は「ファンタスティックなシーズン。クラブ規模を考えれば1つの成功と言っていいだろう」と評価した。

本拠地のサポーターを喜ばせる瞬間だった。青木が先制点を決めた。FW菅からの横パスに反応し、右足を合わせてゴールを奪った。8月14日東京戦(3○2)を最後にホームでのリーグ戦5試合無得点が続いていた。「菅選手のゴールと言っていいくらい。取れて良かった」と青木。東京戦でも2得点を決めていた背番号28は、今季4点目で勝ち点をもたらした。

4位だった18年以来3年ぶり1ケタ順位を狙える位置にはいるが、来季を見据えた戦いもスタートさせる。同監督は10月にトップ昇格した17歳DF西野について「デビューさせることを視野に入れる」と口にした。この日2連覇を果たした川崎Fのように、札幌も高みを目指すクラブになるためだ。「攻撃的スタイルをしっかり戦えるチームになっており、評価を得ている。上を目指すことを示していきたい」と言った。札幌7年目のDF福森は「もっと早く残留を決めて上を目指さないといけないチーム」と続いた。来季の今ごろは優勝争いを繰り広げるチームへ-。そんな未来を思い描いていた。【保坂果那】

○…湘南戦は札幌のオフィシャルパートナーBOAT RACE振興会の冠試合として開催された。試合前の集合写真には、マスコットキャラクターのクマホンもイレブンに並んで撮影。ハーフタイムには大型ビジョンにボートレースの映像が映され、来場者にオリジナルマイクロファイバー製万能クロスが当たるゲーム企画が行われていた。