今季限りで退任するJ2アルビレックス新潟のアルベルト監督(53)が3日、今季最終の5日ホーム町田戦を前に総括会見を行った。冒頭でパワーポインターを使い、就任から2年間でチームに浸透させたボールポゼッション重視の戦術、成果を振り返った。プレースタイルをガラリと変えて臨んだ今季は開幕13戦無敗で首位を快走。中盤戦以降に失速しJ1再昇格は逃したが、J2降格の18年以降最多となる勝ち点68を獲得するなど確実に爪痕を残した。

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約1時間30分の総括会見。アルベルト監督は映像とスタッツを用い、身ぶり手ぶりをまじえて選手と作り上げたポゼッションサッカーの成果を熱弁した。

-2年を振り返ると

アルベルト監督(以下、監督) ボールを保持しながら攻撃を仕掛ける戦術は90%ほど浸透した。保持率やパス数では相手を上回ることができている。

-J1再昇格は逃したことには

監督 9月前後の数試合で勝ち点を取りこぼした。そこで少しでも幸運に恵まれていれば、最後まで昇格争いができたはず。

-勝ちきれなかった要因は

監督 やはり決定力が足りなかった。

-夏の補強には

監督 決定力のあるFW獲得をお願いしたが、今季J1は4チーム降格するだけあってレンタル移籍を嫌がり、コロナ禍で海外選手の獲得も難しかった。強化部は努力してくれたが狙い通りの成果は出なかった。

-阿部、高、三戸といった若手が成長した

監督 学ぶ姿勢もあるし吸収力もある。自信を持てるよう「ミスは問題ない」と繰り返し伝えた。さらに成長できるだろう。

-新潟のJ1再昇格に必要なことは

監督 私が植え付けたスタイルを継続することと、質の高い選手を補強し続けること。昇格ではなく、J1で戦い続けることを目標にすべきだ。

-次期監督(未発表)に伝えたいことは

監督 私が2年間で浸透させた戦術を継続すべき。日本人監督が、日本人選手の良さを生かしながら戦ってほしい。

-新潟での生活もあとわずか

監督 スペインに1度帰国する予定だったがクリスマスは新潟で過ごす。スーパーで会ってもお化けとは思わないで(笑い)。

-5日のホームでの町田戦がラスト采配になる

監督 選手にも、サポーターにも試合を満喫してもらいたい。私の願いはそれだけ。