今季のJリーグのデータを独自の視点で分析して各賞を選出する、恒例「ニッカン・フットボール・アウォーズ」を3回にわたって連載します。第1回は攻撃編。【構成=石川秀和】

 

◆ヘッド得点王 横浜FW前田とともに湘南FWウェリントンが最多6得点。今季はチーム最多6ゴールで、その全てをヘディングで記録した。188センチの屈強なブラジル人FWは前線のターゲットマンとして空中戦で強さを発揮。湘南のJ1残留に貢献した。

◆シュート王 名古屋のレフティーモンスター、FWマテウスが80本で最多。ドリブルからの弾丸シュートなどで相手GKを脅かし、今季の7得点はすべて利き足の左足でマークした。放ったシュートは72本が左足。利き足でのシュートが全体の90%を占めた。

◆決定率王 大分MF町田が「得点÷シュート」で計算したシュート決定率でリーグ最高の3割6分4厘。好機をほぼ確実に仕留め、22本のシュートでチーム最多8得点をマークした。大分は来季J2に降格するが、31歳のアタッカーは高い決定力を示した。

◆得点率王 90分フル出場なら何得点するかを算出した得点率で、鹿島MFアルトゥール・カイキがトップの0・97点。今季加入のブラジル人MFは新型コロナの影響で来日が遅れたが、462分という短い出場時間の中でも5得点と目に見える結果を残した。

◆殊勲弾王 横浜FW前田とともに得点王に輝いた川崎FのFWレアンドロ・ダミアンが、先制点、同点、勝ち越し点という、いわゆる肩書付きのゴールで単独トップの15点。そのうち試合を優位に進める先制点だけで2桁得点と、リーグ連覇の原動力となった。

◆最多コンビプレー リーグ連覇を達成した川崎Fの最強コンビの連係が光った。DF山根のアシストからFWレアンドロ・ダミアンが得点した形は今季コンビ別最多の7点。右サイドバックのクロスをセンターFWが仕留める「ホットライン」が機能した。

◆アシスト王 川崎FのDF山根が最多12アシスト。積極的に攻め上がり、全て流れの中から記録した。昨季の6アシストから倍増。サイドバックではプレースキックから数多くの得点をお膳立てした15年の東京DF太田宏介の13アシストに次ぐ歴代2位となった。