ヴィッセル神戸の今季4人目の指揮官となった吉田孝行新監督(45)は1日、オンラインで就任後、初めて取材に応じた。

J1最下位に沈み、今季3度目の監督交代。この日で練習は3日目の指揮となり、2日のサガン鳥栖戦(駅スタ)が初采配となる。

神戸OBで17年8月、19年4月に続き、今回が同クラブでは3度目の監督登板となる。J1通算45試合(15勝10分け20敗)の経験がある吉田監督は「自分自身も勇気がいる決断だった。クラブへの愛や、このまま(J2に)降格してはいけないと思った。少しでも力になればと、やらさせていただいた」と、強化部スタッフからの転身を決断した。

神戸はここまで2勝5分け11敗の最下位で、残留圏の15位ジュビロ磐田とは勝ち点8差ある。残り16試合となり、13年以来となるJ2への降格が現実味を帯びている。

新監督はそこで、具体的なノルマも掲げた。

「最低でも半分以上は勝たないといけない。我々としては苦しいのは理解している」と、8勝の数字を挙げ、勝ち点の合計を35以上に設定した。

選手には、数字では要求しておらず「(勝ち点の)計画をしている場合ではない。1試合1試合、勝つしかない。それが3、4連勝した時に、もしかして順位で上が見えてくるかもしれない。今は勝っても、上にいける状況ではない」と言い切る。

「(チーム内に)危機感がないのが一番、危険な状況。今回も危機感をどれだけ持っているかというと、選手に温度差がすごくあった。(でも)さすがに、この勝ち点差を見た時に危機感を覚えた。1人1人がやらなきゃいけない気持ちを、サポーターも後押ししてくれ(その先に)奇跡の残留が出てくると思う」

神戸での選手時代には残留争いや降格も経験しており、クラブの歴史を知る45歳の手腕に期待される。