昨年10~11月に行われた全国高校サッカー選手権滋賀県大会で誤審が疑われる判定が相次いだとして、県内の高校サッカー関係者2人が県高校体育連盟を相手に、日本スポーツ仲裁機構に調停を申し立てたことが23日、分かった。高校の部活動に関する紛争が機構に持ち込まれるのは異例。

 関係者によると、申し立ては7月11日付。申立人側は、準決勝1試合でオフサイドやファウルがたびたび見逃されるなど誤審が疑われる不可解な判定が約20例あったと主張。他の2試合でも不可解な判定があったとしている。審判は県内の高校のサッカー部監督らが務めた。

 申し立ては、調停で誤審だったかどうかの調査や、県外から審判を呼ぶなどの対策を求めている。ただ、県高体連側が25日までに調停に応じる意向を示さないと、調停は開始されない。

 川井圭司同志社大教授(スポーツ法学)は「部活動は教育の一環なので、機構に紛争が持ち込まれたケースは聞いたことがない」とした上で「審判の公平性は確保されるべきで、調停で第三者の目で検証されることには意義がある」と話している。