サッカーを通じて人種差別などの人権問題を考えるシンポジウムが30日、大阪市の大阪人権博物館で開かれた。

 約300人の聴衆を前に、パネリストの村井満Jリーグチェアマンは「差別問題に取り組むサッカー界から、社会へ反対のメッセージを送りたい」と呼びかけた。

 日本代表で主将を務め、ガンバ大阪などで活躍した宮本恒靖氏もパネリストとして参加した。

 Jリーグでは3月に浦和レッズのサポーターが「JAPANESE

 ONLY」と書かれた横断幕を掲げたため、日本では初めての無観客試合が行われた。8月には横浜F・マリノスのサポーターが黒人差別を意味するバナナを振りかざす問題が起きた。

 シンポでは、欧州での試合中に起きた差別行為に対して、有名選手がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを使い反対している例が紹介された。

 宮本氏は「サポーターの応援は励みになるが、子どもたちに見せたくないことをすべきではない。選手が中心となって啓発していくことが大事だ」と指摘した。