<Fリーグ:神戸3-2町田>◇第13節◇21日◇グリーンアリーナ神戸

 フットサル元日本代表で、Fリーグ神戸の鈴村拓也(36)が、特別な試合で劇的勝利へ導いた。

 12年末に上咽頭がんを発症し、選手生命の危機に立たされた。抗がん剤と放射線治療を続け、ちょうど1年前の13年9月22日にこの日と同じ神戸で奇跡的な復活を遂げた。あれから丸1年。秘めた思いを胸に、コートに立った。

 町田に1-2とリードを許して迎えた終盤。敗戦の雰囲気が漂う中、残り3分で鈴村が執念の同点ゴールをたたき込んだ。神戸はこれで勢いに乗り、すぐさま須藤がPKを決めて逆転に成功。まるでドラマのような勝利となった。

 開始9分にも原田の先制ゴールの起点になるなど、攻守に大活躍の鈴村は「実は復帰した日からちょうど1年なんです。点を決めて、勝てて良かった」と笑顔で話した。

 試合後にはマン・オブ・ザ・マッチに選出された。