<ACL:C大阪1-0G大阪>◇決勝トーナメント1回戦◇24日◇万博

 試合終了間際の後半43分だった。C大阪はゴール前に進入した金甫■から右へスルーパスが出る。最終ラインから迷いなく駆け上がったのは高橋大輔(27)。「狙っていった。いい流れで攻撃が終われていなかったので」。角度のないところから右足を振り抜くと、ボールは相手GKの手をかすめてゴールに吸い込まれた。

 普段はなかなか動かないクルピ監督が、後半開始直後に早々と手を打った。大黒柱の乾と2列目の倉田を引っ込め、FW小松と守備に定評があるMF中後を投入。布陣を先発の「4-2-3-1」から「4-4-2」に変えた。いつものスタイルを捨てた采配が、前半のゆったりとしたテンポを一変させた。

 守備的MFの位置から右サイドハーフにポジションを上げた金甫■が前線で起点となった。そこを何度もサイドバックの高橋大が追い越していく。金甫■は「後半はガンバの守備が中央に寄っていた。右の空いたスペースをうまく使えた」。若き韓国代表の流れを読む目もさえた。

 殊勲の高橋大は「今までの歴史を塗り替えるいい機会だと思ってプレーした。重圧を力に変えることができた」と胸を張る。G大阪にはJ1のリーグ戦では過去8勝1分け18敗と圧倒されていた。「大阪の雄」の座を懸けた大一番を制して、初出場のC大阪がアジアの8強に駒を進めた。※■=日の下に火