<J1:仙台2-1G大阪>◇第15節◇15日◇ユアスタ

 G大阪のMF佐々木勇人(28)には、苦い「凱旋(がいせん)」となった。高校まで宮城・塩釜で過ごし、スタンドには両親や少年時代の恩師の姿も。震災から復興する故郷で右MFとして今季リーグ戦初先発したが、得意のドリブルも相手の厳しいマークの前にいまひとつで、後半28分に退いた。

 試合後は、DF加地亮(31)とともにドーピング検査に指名された。午後4時前、恩師と昔話を語り合う間もなく医務室に入ること3時間以上…。汗を出し尽くしていたため尿が出ず、検査を終えたのは関係者の姿もなくなった午後7時過ぎだった。すでに、チームメートが乗った大阪行きの飛行機も仙台空港を出発。佐々木は「これもまた思い出ですね」と苦笑していた。