<天皇杯:横浜2-0広島>◇決勝◇1日◇国立

 横浜が広島を破って21大会ぶり7度目の日本一に輝いた。

 2020年東京五輪などに備えた改築のため、現在の競技場が舞台となるのは今大会が最後。聖火台に灯がともされる中、4万6599人の大観衆が熱戦を見守った。

 神奈川県鎌倉市の会社員、近藤正人さん(47)は「今回がこの国立での最後。息子に見せたいと思って来た」と節目の一戦を目に焼き付けようと、小学2年の正太君(8)と来場した。気温14度と、この時期にしては暖かな日差しに包まれた。

 横浜の優勝が決まると、サポーターからは大きな拍手が起こり、歓声が響いた。

 元日の決勝は、1969年の第48回から46大会にわたり実施された。

 日本サッカー協会の大仁邦弥会長は「最後にふさわしい決勝だった。(国立には)いろいろな思い出がある。感無量」とにこやかな表情。

 横浜の中村俊輔選手は神奈川・桐光学園高時代、この競技場での全国高校選手権決勝で敗れた経験を持つ。「思い出を残せた。ここでの優勝はなかなかない。よかった」と感慨に浸った。