J1の試合中に横浜のサポーターがバナナをかざす差別的な行為をした問題で、Jリーグの村井満チェアマンは25日、横浜への処分について「基準値は2010年」と浦和サポーターが初めて差別的な発言をした事例を挙げ「その後の社会の変化やクラブの対応など総合的に勘案したい。早く判断したい」との見解を述べた。

 裁定委員会への諮問を経て、制裁を決める。

 10年5月、相手選手へ差別的発言などがあった浦和に対し、リーグはけん責と500万円の制裁金を科した。ことし3月に浦和サポーターが会場内に差別的な横断幕を掲げた問題では、2度目の差別的行為であることも考慮し、国内初の無観客試合の処分を下した。

 23日の横浜-川崎で、男性サポーターが川崎選手に向けてバナナを振りかざした行為について、村井チェアマンは「差別をなくすことに力を注いできた。本当に残念」と話した。経過を報告した横浜Mの嘉悦朗社長は再発防止に向け、啓発活動に取り組むことを明言した。