<J1:川崎F1-1仙台>◇第26節◇27日◇等々力

 川崎F・FW大久保嘉人(32)が「ピカルディア」を体現して見せた。スペイン語で「ずる賢さ」を表すそれは、日本代表ハビエル・アギーレ監督(55)が求める「戦う」要素の1つ。前半29分、ドリブルで中央からペナルティーエリア付近に差しかかると、相手DFに囲まれて倒される。足は掛かっていないように見えたが、笛が鳴りFKを獲得。MF中村憲剛(33)が直接狙ってゴールのわずか左に外れるも、好機を演出した。

 この判定に対し、仙台の選手たちは両手を広げて主審に猛抗議。平然とした顔つきで起きあがった大久保は、試合後「審判がファウルって言ったら、ファウルやろ」とサラリと言ってのけた。

 ルールに違わず、フェアプレーの中で状況をコントロールする-。日本人には欠けていると言われているが、「日本にはいないでしょ、ああいうのやる人」。4年後のW杯ロシア大会は36歳。だが戦いを熟知したベテランは、頼りになる。