<J2:福岡1-2松本>◇第39節◇1日◇レベスタ

 J2松本は来季J1に自動昇格となる2位を確定させた。

 反町康治監督(50)は2003年の新潟、09年の湘南に続いて自身が率いた全3クラブをJ1に導いた。まさに「昇格請負人」だ。

 12年、J2入りしたばかりの松本の監督に就任。08年の北京五輪で日本男子を率いた指揮官は「いろいろな人に相談した。みんな『やめろ』と言った。だから引き受けた。俺はあまのじゃくだから」とにやりと笑う。困難と思われる挑戦ほどやりがいを感じたという。就任当初は練習に遅刻する選手もいたそうだが、規律や勝負への執念を植え付けた。

 ピッチ内だけでなく、クラブも発展途上だ。監督自身が「クラブには洗濯機を買ってくれと頼んでいるよ」と苦笑するように、今でも練習着は選手が持ち帰って洗濯するなどJ1クラブに比べて厳しい環境にある。

 「最初は時間がかかるなと思ったけど、いいところを伸ばそうということでやってきた。プロチームらしくなってきた」。市民型クラブの成長の歩みとともに、監督の挑戦も実りの秋を迎えた。