<J1:新潟0-2柏>◇第34節◇8日◇カシマ

 柏がDF鈴木大輔(24)の劇的なゴールで、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場へ望みをつないだ。

 ACL出場の可能性は他力ながら、2点差以上での勝利が絶対条件。後半21分、FWレアンドロ(29)が一瞬の隙を突いて抜け出し右足で先制ゴール。だがもう1点が遠かった。時間だけが過ぎていき、迎えた試合終了間際。「多少の焦りはあったけど、いつもとやることは変わらない。自分たちの気持ちで押し込んだゴールだった」。CKから、最後は右足で貴重な追加点を挙げた。

 前半は攻めあぐねていたが、教えを守り続けた。今季限りで退団するネルシーニョ監督が5年半、言い続けてきたのは、<1>組織を重んじること<2>最後まで諦めないこと

 ラストゲームで体現し、指揮官も「いつも要求してきたこと。選手たちがそれを見せてくれた」とご満悦だった。

 当初予定されていた6日は、デンカビッグスワンスタジアムが大雪に見舞われ延期になった。古巣との試合を心待ちにしていた鈴木は「新潟でやりたかったので悔しい。最後の1週間と思って準備してきたので、2日間はもどかしかった。気持ちも切れそうになった」と明かした。それでも、モチベーションを保てたのは「ACLの可能性があったから」。9位から、7連勝で4位に浮上した。

 優勝の可能性こそ早々に消滅していたが、猛烈なラストスパートで目標達成へ近づいた。ネルシーニョ監督は「あとは静かに13日の結果を待ちたい」と話した。G大阪が天皇杯で3冠を達成したとき、柏の新たな戦いが幕を開ける。