J2仙台の手倉森誠監督(40)が4日、キャンプ35日目にして初めてカミナリを落とした。4日後にリーグ開幕を控えている選手から、緊張感が感じられないことから一喝した。さらに最後まで開幕ベンチ入りを競わない選手に対しては、シーズンを通して出場させないことも示唆。指揮官の怒声が「ガス欠」状態に陥った眠れるベガルタ戦士への、目覚めのカンフル剤となるか-。

 10分間のミニゲームを2本終えた時、手倉森監督が突然、声を荒らげた。「ちゃんとポジションを取れよ!」。簡単に背後のスペースを突かれたり、攻守でボールに絡もうとしない選手が目についたのが我慢できなかった。8日の湘南戦に向け、密度の濃い練習を目指した。だが、集中力を欠く選手が多く、ついに業を煮やした。

 指揮官のゲキでやっと目覚めたのか、3本目はチーム全体の動きが機敏になった。ただ副主将のDF木谷は「いいタイミングでゲキを飛ばしてくれたけど、もっと練習中に選手同士で言い合わなければいけない」と説明。“お目覚め”には少しばかり時間が必要なチーム状態を打ち明けた。

 練習後も指揮官の怒りは収まらない。今度は報道陣に、まるでそこに選手がいるかのような口調で語気を強めて言った。「気合が全然、見えない。スタメンは11人、遠征メンバーは16人…。自分から、そこの席を狙わないヤツがいれば、1シーズン通してノーチャンスだ!」とバッサリ。返す刀で、ベンチ入り不可能と思いこみ練習に悪影響を与えている選手に対して「自分で決めるな!」と切り捨てた。

 指揮官のゲキの真意は、眠れるベガルタ戦士を鼓舞し、集中力を回復させること。ガス欠状態に陥っているのは確かだが、開幕は目前に迫っている。MF田村は「気の抜けた場面があったけど、監督のゲキで最後はいいゲームをできた」と表情を引き締めた。5日からは予定を変更して、1部練習になる。集中力にメリハリをつけることが狙いだ。開幕まで残り3日。なりふり構わず、臨戦態勢を整える。【山崎安昭】