<J1:G大阪0-0千葉>◇第1節◇8日◇万博

 G大阪の新戦力が躍動した。看板の攻撃陣が不発で0-0のドロー発進となったが、収穫はあった。西野監督は「呼吸はまだ合ってない」と言いながら「ここでバッチリ合ってもね。プラスに感じる部分の方が多かった」。3年ぶりのリーグ優勝を狙う新生G大阪に、確かな手応えが残った。

 最終ラインには、千葉から加入した日本代表DF水本が立ちはだかった。「運命的なものを感じた」という古巣相手のデビュー戦に武者震い。FW巻とのガチンコ勝負で完封した。「特別な意識はあったけど、100%の力を出させないようにした」。本格合流からまだ11日目。それでも西野監督からは「人に対する強さはかなりアピールしていた」と1対1の守備能力を絶賛された。

 ファンの厳しい要求も力に変えていく。完封したが、ブーイングを浴びた。「勝ち点3を取らなきゃいけないチームなんだ」と痛感した。これこそ求めていた常勝軍団の重圧。必死で勝利に向かう姿勢は、ほかの新戦力も同じだ。右太もも打撲で欠場した右サイドバック加地の代役は、山形から移籍した佐々木が務めた。「最初の試合だから緊張した」。後半開始前に足のマッサージを受けるほど疲れたが、正確な右クロスで決定機を演出した。

 大分から加入のFW山崎は後半13分から出場し、動き回って千葉を混乱させた。チームは昨季から4試合連続ドローだが「少しずついいサッカーをしていけばいい」と西野監督。2月のキャンプに代表組が不在だったため、連係がよくなるのはこれから。選手層の厚くなったG大阪は、開幕ドローにも余裕たっぷりだ。【北村泰彦】