<J2:水戸2-2横浜FC>◇第5節◇29日◇笠松

 横浜FCが「緩急サッカー」で今季無敗を守った。FWカズ(三浦知良=41)が初先発したアウェー水戸戦は2点を先行される苦しい展開。しかし、カズが交代した後はスピードアップした攻撃陣が2得点して2―2で引き分けた。カズが試合を落ち着かせ、代わった若手FWがゴールを狙うのが、昇格への必殺パターンとなる。

 緩急が効くのは、野球のピッチングだけじゃない。後半17分、41歳のカズに代わって28歳の長谷川投入。さらに同23分に18歳のFWチョ・ヨンチョルが出場し、左サイドバックの三浦淳がトップ下に上がり、4から3バックに変更。後半25分から負けゲームを引き分けた。ベンチで戦況を見つめたカズは「オレが代わってからスピードアップした。(長谷川)太郎が起爆剤になったね」と満足そうだった。

 「カズで引っ張って、終盤スピードで勝負」は、都並監督の作戦だった。水戸は全員での激しいプレス守備が持ち味。前半はカズのキープ力でサイドに起点をつくり、プレスをかわして攻めながら失点を防ぐ。逆にプレス疲れで相手の足が止まった終盤は、前のスピードを生かす。「先に2点取られたのはダメだけど、監督の采配がうまくいったね」とカズも話した。

 右臀部(でんぶ)痛から復帰したカズだが、まだ本調子にはほど遠い。この日も決定的なチャンスでシュートをミスした。「今のカズにDFの裏へ抜ける力強さを求めるのは無理」と都並監督。しかし、シフトチェンジ前の「先発型FW」として、経験と技術、そして労を惜しまぬ守備は貴重だ。

 41歳。シーズン通してトップコンディションでいられるほど若くはない。「今はまだ60分が限界。4月か5月目指して、徐々に上げていく」とカズは言う。もちろん、ゴールへの周囲の期待は感じるが「今のオレは役割が違う」とも言う。次戦はJ1へのライバルの1つと思われる仙台戦。カズから若手への「緩急サッカー」が、しばらくは続きそうだ。【荻島弘一】