かつての指揮官を見返してやる!

 J2仙台のFW中原貴之(23)が5日、6日のアウェー横浜FC戦での2戦連続ゴールを宣言した。敵将は05年に仙台を率いた都並監督で、中原はこのシーズンでリーグ戦出場2試合止まり。十分なチャンスを与えられなかった悔しさを、今も忘れていない。前節草津戦で今季初ゴールを挙げ、チームを勝利に導いたストライカーが「見返し弾」をお見舞いする。

 いつもと変わらぬ穏やかな表情ながら、その目だけはギラついていた。敵将に関する質問が出ると、中原に05年の悔しい思い出がよみがえってきた。「僕は試合に使ってもらえなかった方なので、結果を出して見返してやろうという気持ちがある」。脳裏には、自らのシュートが相手ゴールネットを揺らすシーンが、イメージされていた。

 04年のベルデニック政権下で中原は、リーグ戦18試合に出場し2ゴールを挙げた。さらなる飛躍が期待された05年。だが当時の都並監督の評価は低く、リーグ戦出場は2試合にとどまった。故障していたわけでもない。助っ人FWシュウェンク、バロンの陰で、ひたすら出番を待つ日々…。

 当時の中原をサテライトで指導していた手倉森監督は、中原の内に秘める闘志を見抜いた。「都並さんに使われなかった選手が、やってやろうという気になっている。特に中原」。相棒も黙ってはいない。ツートップを組む中島も「アシストします。手伝いますよ」とニヤリ。中原の「見返し弾」に協力する構えだ。

 前節、得点したことで、中原に心境の変化が生まれた。「点を取りたいのは普段と変わらないけど、取らなきゃ、という焦りがなくなった。都並さんの前でやれることが楽しみ」と不敵に笑う。首位浮上の可能性もある一戦で2戦連続ゴールを決め、白星をたぐり寄せる。【山崎安昭】