<J1:名古屋2-0清水>◇第6節◇12日◇日本平

 J1清水は0-2で名古屋に敗れ、06年以来2年ぶりの3連敗を喫した。中盤をダブルボランチに変更して臨んだが実らず、得点力不足の課題を改めて露呈した。まだ6節を終えた段階だが、順位は暫定16位と降格圏内に突入。試合後にはサポーターがチームバス出入り口を封鎖し、猛抗議。長谷川健太監督(42)が熱い思いを伝えて事態は収束した。

 大ブーイングが、2年ぶりの3連敗を喫した清水に降りかかった。中盤の構成を変更する策も実らず、名古屋に完敗。今季リーグ戦ホーム初白星も飾れなかった。

 必勝を期して臨んだはずだった。今季初めて3日連続で非公開練習を敢行し、ダブルボランチの練習を積んだ。「守るためではなく、どう点を取るかを考えた時に変化をつけたいというのがあった」(同監督)。だが、試合は思惑と裏腹に進んだ。前半9分、右サイドを細かなパス交換で崩され失点。その23分後には、MF本田をFW原に代えた。ダブルボランチで結果は出たかと聞かれた指揮官は「結果は出なかった」と拳を握りしめた。以前の形だったとはいえ、準備期間は実質3日間。新外国人FWアウレリオもシュート1本で無得点。名古屋とは、現時点で成熟度が違った。

 試合後、サポーターはチームバス出入り口を封鎖し、長谷川監督に説明を求めて座り込んだ。「選手は帰していいから、出てきて説明しろ」。まだ6節を終えただけだが、暫定16位と降格圏内に突入。形の見えないチームに、サポーターの思いが爆発した。午後7時45分に選手が引き揚げた後、長谷川監督がサポーターの前に立った。

 長谷川監督

 おれも悔しいし、選手も悔しいし、誰もホームで情けない姿を見せたくない。今、何を言っても言い訳にしかならない。これからの結果で期待に応えるしかない。いつも首をかけてやっています。自分だけ逃げようとは思っていない。(優勝できるかと問われ)自信あります。なけりゃやっていませんよ。あきらめたら終わりじゃないですか。

 清水の今季キャッチフレーズは「WE

 BELIEVE」。多くの課題を抱え、トンネルの出口が見えてこないのは事実だが、今こそ清水は己の力を信じて、戦いを続けていくしかない。【浜本卓也】