J1清水は14日、明日16日のナビスコ杯東京V戦(日本平)へ向けて紅白戦を行い、主力組にDF山西尊裕(32)とFW西沢明訓(31)の両ベテランとFW原一樹(23)が入った。この日の練習前には、選手が自主的に約10分間のミーティングを敢行。巻き返しへ、ムードが高まってきた。16日に東京(味スタ)と対戦する磐田は、右CBでDF鈴木秀人(33)の先発が確実。復帰するDF田中誠(32)とともに、DFラインからもり立てる。

 これまでと違う顔ぶれが、東京V戦へ向けた紅白戦の主力組に並んだ。2トップには西沢と原、左サイドバックには山西が入った。西沢以外は今季公式戦で先発ゼロ。長谷川監督は「現時点で一番いいメンバーを選んだつもり」と話した。

 リーグ戦3連敗中で16位なうえ、主力にも蓄積疲労が目立ってきた。こういう時こそ、経験豊富なベテランが頼りになる。西沢と山西の清水東高の同級生コンビは「何とかしないと」と口をそろえた。西沢は「自信もそうだし、勝ち方を忘れかけている部分もあると思う。ゲームコントロールしながら90分を終えなきゃいけない。そういったところは自分らの役割」と、落ち着きを与える存在になるつもりだ。

 山西も思いは同じ。「今は重苦しい空気を変えていきたい。まず勝って同じ方向にチームが向くのが大事。何かのきっかけになれば」。この日の練習前にはDF高木和、GK西部と中心になって自主的にミーティングを開いた。「やるのは選手。みんなで元気出して、声を出して頑張ろう」。練習では、大きな声がピッチ上を飛び交った。高校の後輩でもある頼れる2人のベテランの力を、長谷川監督も「大きいと思いますよ」と目を細めた。

 思いは若い選手にも伝わっている。2年目の原も「下のオレらもついて行かないといけない。チームのために、泥臭くがむしゃらにやりたい」と、さらに気を引き締めた。「1回勝つことで流れは変わる。勝ちにこだわってやりたい」(西沢)。このままでは終わらない-。逆襲へ向け、清水は嫌な流れを断ち切りつつある。【浜本卓也】