鹿島DF内田篤人(20)が白星街道の起点となる。北京五輪で左腹斜筋を挫傷して離脱していたが、26日の最終調整で主力組でプレーし、27日の神戸戦での先発復帰が決定的となった。五輪出場と故障でリーグ戦4試合のブランクがあるが「腰の骨を折って(5月に)復帰した時は、すぐに90分は無理と思ったけど、今回は違う。まったく問題ない」と、即フル回転でプレーできることをアピールした。

 23日の名古屋戦に敗れ、5試合ぶりに首位から陥落したチームにとっても、内田の復帰は何よりの吉報だ。不在時は右サイドバックの代役を固定できず、波のある戦いが続いていた。長期離脱時の連勝はルーキー時代の06年の1回だけ。今回の離脱時も△●○●とオセロ風ゲームのような勝敗となった。内田も「(オリベイラ)監督からは『ケガせずに五輪から戻って来なさい』と言われていた。それだけに申し訳ないと思う」。故障も癒えて、ようやく貢献できる試合の場に立てる。

 復帰の先には日本代表への追加招集も見える。9月6日のW杯最終予選初戦のバーレーン戦には、現段階で選出されていないが、岡田監督も神戸戦でのプレーぶりをチェックして判断する意向。内田自身は「そんなに甘いもんじゃない」と冷静だが、チームからも代表からも若武者にかかる期待は大きい。【広重竜太郎】