磐田のMF駒野友一(27)が「3種類のFK弾」で残留を決める。J2仙台との入れ替え戦は10日、ユアテックスタジアム仙台で第1戦を行う。昨季は広島で入れ替え戦に出場して降格を経験した駒野は、地元磐田での前日練習後、セットプレーがカギを握ると明言。3つの軌道のFKを準備して、残留と2年越しの汚名返上を目指す。

 決戦前日、駒野は居残りでFK練習をした。「2年連続入れ替え戦をするのは僕くらいですから。経験を生かせるようにプラスに考えてやりたい」。昨季所属した広島に続き、再びがけっぷちに立った。悔しい思いはあるが、「経験」の分だけ落ち着いていた。

 短期決戦に備えて、3種類のFK弾を準備した。(1)壁の下をすり抜ける低空弾(2)壁の横を巻くカーブ弾(3)本人も軌道が分からない神のみぞ知るブレ球。「チャンスが少ない分、セットプレーが得点源になる」(駒野)。リーグ戦通算10得点中7得点をペナルティーエリア外から決めているだけに、精度に自信がある。

 入れ替え戦は2試合あるが、第1戦で勝利を逃したチームがJ1に残った例はない。駒野も昨季、京都に第1戦で敗れ、第2戦をスコアレスドローで逃げ切られた。「初戦が大事。まずは失点をしないこと」と駒野。一方で勝てば圧倒的優位に立てる。「(だから)少ないチャンスをモノにしないと」と話した。

 これまでパスサッカーを旗印にしてきたオフト監督も、今回ばかりは守備を重視して、ロングボールを使った「省エネ戦法」に出るようだ。無失点で守り抜き、駒野の1発が決まれば残留への道は開けてくる。【栗田成芳】