激闘終えたベガルタ戦士の足取りは、さすがに重かった。J1磐田との入れ替え戦第2戦に1-2で敗れ、6季ぶりのJ1昇格を逃したJ2仙台が一夜明けた14日、仙台に戻った。この日午前、JR仙台駅新幹線ホームに降りたイレブンの足取りは重く、うつむき加減の選手が多かった。チームはその後、クラブハウスでミーティングを開き、来季の出直しを誓った。

 たった1日だけでは悔しさをぬぐうことなど、できなかった。わずか2日前、J1昇格切符を手土産に凱旋(がいせん)することを胸に誓った同じ仙台駅で、手倉森監督は「(応援してくれたサポーターに)申し訳ないとしか言いようがない」と話し、視線を落とした。

 チームはその足でクラブハウスに戻り、ミーティングを開いた。退団する選手があいさつし、さまざまな形で今季を振り返り事実上、チームは解散した。主将のMF梁は「(仙台に帰ってきて)シーズンが終わった、という実感がわいた。今は休みたい」と切り替えた。後半33分から途中出場し、終了間際に決定的なシュートを放ったFW中原は「昇格のかかった大事なシュートだった。現実を受け止められず、悔しくて朝6時まで眠れなかった」と悔しさを吐露した。

 敗戦のショックを引きずっていられないのは、戦力外通告された6人。リーグ最終戦から3試合連続先発出場したDF磯崎は「オファーは来てません。これからは自分のために頑張る」と話し、15日から2日間の日程で行われるトライアウトに参加するため、大阪に向かった。

 就任1年目で、最後まで苦闘のチームを指揮した手倉森監督は、去就について「報道でいろいろ書かれちゃ、何も言えない」とだけ言った。来季こそJ1昇格へ-。それぞれの思いを胸に、チームはオフに入る。【三須一紀】