鹿島の日本代表DF内田篤人(20)が、新たな勲章を手にした。Jリーグ・アウォーズが22日、東京・JCBホールで行われ、内田はベストイレブンに初選出された。横浜DF中沢佑二(30)がV川崎時代の99年に22歳で選ばれたのを超えて、DF史上最年少受賞となった。これを弾みに、来季は代表でW杯出場切符、クラブではリーグ史上初の3連覇とACL制覇を目指す。

 内田が「DF史上最年少ベストイレブン」に輝いた。日本代表の大先輩、中沢の22歳を超える20歳での初受賞。数々の年少記録を打ち立ててきた男は「うれしいです。今季は忙しくて苦しかったけど、来年も忙しくなるように頑張りたい」と笑みを浮かべた。

 楽な1年ではなかった。日本代表と五輪代表を両立。W杯予選、五輪、リーグ戦、ACLなどの過密日程を戦った。今年元日の天皇杯決勝から公式戦計53試合に出場。8月10日の北京五輪ナイジェリア戦では左腹斜筋挫傷で全治2~3週間の故障を負いながら、同27日の神戸戦で復帰し、9月6日のW杯最終予選バーレーン戦も出場した。「自分というより、チームが勝てばいいと思っていた」。

 今季終盤には、ボーフムMF小野伸二らの代理人を務める秋山祐輔氏と契約した。契約交渉などの負担を減らしてプレーに集中できる環境をつくった。「成長していかないと」。活躍次第では将来的な海外移籍も見えてくる。

 来季は10年W杯のプレシーズンとなり、代表、クラブともに目標が多い。「まずはクラブで3冠(リーグ、ナビスコ杯、ACL)を取ることを考えて、今のレベルを上げていければいいと思います」。この日、壇上では北京五輪競泳平泳ぎ2冠の北島康介から賞品を渡され握手を交わした。

 史上最年少のベストイレブンは98年浦和(当時)MF小野の19歳だが、経験がものをいうとされるDFで20歳の受賞は、やはり大きな価値がある。22歳で選ばれた中沢は、99年を境に一気にブレーク。「自分なりに一生懸命やっていかないといけない」と話す内田も、この受賞を自信に、さらに成長していくはずだ。【菅家大輔】