<天皇杯:G大阪1-0横浜>◇準決勝◇29日◇国立

 G大阪は延長戦の末に横浜を1-0で破り、2年ぶりに決勝に進出した。

 スタミナはもう、底を突いていた。背中を押したのは、勝利への執念だけだ。PK戦突入の色合いが濃くなった延長後半11分。FW山崎雅人(27)は倒れそうな体にムチ打って全力疾走した。走り込んだ先に届いたMF寺田のスルーパス。右足で合わせた。ネットが揺れた。スタンドまで駆け寄り、両手を突き上げた。

 「チン(寺田)はパスに一工夫あるんで、流し込むだけだった。守りが踏ん張ってくれてたんでね。疲れました」。チームの公式戦60試合目だった。大黒柱のMF遠藤が途中で交代し、MF橋本もピッチを去るほど疲れはピークだった。中8日の横浜に対して、G大阪は中3日。山崎の両足首も、疲労や打撲でボロボロだった。テーピングで固めて走り続けていたが、後半途中からは「足がつりまくり」だった。

 それでも、勝ちたかった。優勝してACLへの道を切り開く。その思いだけだった。昨オフ、レギュラーに定着しかけていた大分からの移籍を決めたのも「G大阪ならACLに出られるから」。今季アジア王者に輝いたのに、来季の出場権を逃すわけにはいかない。延長突入前の円陣でも「絶対勝ってACLに出よう!」と選手同士が大声を出し合った。

 今季14点目。クラブW杯でもマンチェスターUからゴールを奪うなど3戦2発。10月以降に5点を決め、実力でスーパーサブから先発の座を奪い取った。30日に24歳の一般人女性との婚姻届を出す。「記念の日に結果が出せてよかった」。最高の結果で元日決勝へ向かう。【北村泰彦】