今季磐田は、3年連続でシーズン途中で監督が交代した。第23節終了時16位で、J1残留争いを強いられると内山元監督が辞任。クラブは94~96年にも指揮を執ったオフト氏を招へいした。しかし、最終順位は16位で変わらず、クラブ史上最低。同じ勝ち点37の東京Vが得失点差で下回り、J2に自動降格。Jリーグに昇格した94年以降の15年間で、1番苦しい1年だった。

 成績不振で指揮官が代わるたびに、チームをつくり直すはめになる。試合に出る選手も替わり、フレッシュ感は生まれるかもしれないが、必然的に連係面での不安が生じる。信頼して就任させたはずの指揮官を辛抱できずに途中で交代させれば、継続的な強化は望むべくもない。オフト前監督は残留決定直後「クラブが眠ると昏睡(こんすい)状態に陥ることもある」と提言を残した。来季も同じ「迷走」が続くなら、今季苦しんだ意味はない。過去から学び、未来に生かす必要がある。

 それでも、来季の監督には、03年にもチームを率いた柳下コーチの再登板が決まった。磐田はこれで00年のハジェブスキー監督を最後に、9代続けて内部昇格、またはチーム関係者の監督起用となった。非常事態のチームの立て直しは、かつての成長期から黄金時代までを熟知した新監督の手腕に委ねられる。「身内人事」にこだわった信念と選択に自信を持ち、我慢強く見守ることができれば、チーム再建の道も開けるだろう。【栗田成芳】