<高校サッカー:野洲1-0岐阜工>◇31日◇1回戦◇等々力
ゴールへと向かう野洲FW坂本が、MF潮入からのパスを受けた。相手DFの背後に抜け、右足でこの日5本目のシュート。ボールはGK山田の脇を抜け、ネットを揺らした。後半39分、坂本も「PK戦を意識した」という土壇場で、エースが勝利を引き寄せた。
苦しい試合だった。相手は隣県の岐阜工。メンバーは違うが、練習試合で3度対戦(2分け1敗)し、知り尽くされていた。前半は速さに押され、坂本も前線で孤立。しかし、相手の出足が鈍った後半は圧倒的に攻めた。チャンスを逃していただけに「最後に決められて良かった」と話した。
予選となる滋賀大会から6戦連続14発、全日本ユースからだと9戦連続で計20得点。この間のチーム総得点39の半分以上を稼いでいる。「得点は意識していない。チームの勝利が1番」といいながらも「FWはゴールが仕事だから」とも言い切る。
クラブ育ちの多い中、唯一の中学の部活出身。スタンドで応援した父英男さん(44)は「(坂本が中学当時に)県大会決勝を見て、魅力にとりつかれた」と振り返る。入学当初は周囲の技術の高さに「辞めようかと思った」と言うが、2年から点取り屋として活躍。パス中心のチームでゴールに専念してきた。
相手の衣服を1枚ずつ剥ぐようにDFを崩すのが、野洲の「セクシーサッカー」。2年生9人が先発に名を連ねた昨年度は2回戦で敗退したが、未熟なチームは経験を積んで大人に成長した。「もう悔しい思いはしたくない。優勝したい」。頂点を目指して、坂本はチームを勝利に導く一発を狙う。【荻島弘一】




