<高校サッカー:大阪桐蔭5-0不来方>◇31日◇1回戦◇市原

 初出場の大阪桐蔭(大阪)が、開始4分で勝負を決めた。G大阪ジュニアユース出身のMF保井(やすい)隆志(3年)が前半3分のファーストシュートで先制FKを決めると、1分後にも追加点。2得点1アシストの大活躍で5―0で不来方(こずかた、岩手)を破った。永野悦次郎監督(41)はボクシングの大阪帝拳ジムに所属した異色の経歴を持つ。1ラウンドKOの「ボクシングサッカー」で好発進した。

 いきなりのカウンターパンチだ。前半3分に得たFK。保井が左足で放ったシュートは一直線にゴール右上に吸い込まれた。たった3分。さらに1分後にもMF牧野の右クロスを左足ダイレクトで合わせ追加点。2本のシュートで2点を奪い、初出場の大阪桐蔭が序盤で試合を決めた。1ラウンド“KO”の鮮やかな立ち上がりだった。

 殊勲の保井は、あくまでも謙虚だ。「たまたまです。(先制点は)入るとは思っていなかったですけど。練習していたいつも通り。立ち上がりに2点が取れて、試合がやりやすくなった」。G大阪ジュニアユースで育ち、小刻みにボールをつなぐパスサッカーが持ち味。後半25分にはFW星原の5点目をアシストし、2得点1アシストと大舞台で爆発した。

 関西のライバル野洲が「セクシーサッカー」なら、大阪桐蔭は「ボクシングサッカー」だ。永野監督は大阪帝拳に所属し、浪速のジョーこと辰吉と一緒に練習をした経験がある。一時は百貨店勤務をしていたが、顔はいつもボコボコだった。

 「辰吉さんがまだ世界王者のころでね。ボクシングはじっと足を止めていたら殴られる。常に間合いを気にしながら、相手の懐に入っていく。それはサッカーも同じなんです」(永野監督)。この日は、まさに完ぺきなKO劇だった。

 目指すは大阪勢35年ぶりの全国制覇だ。野球部は昨夏に全国制覇しており、保井は「甲子園のタオルを野球部の選手からもらいましたから。ボクらも負けられない」。指揮官も「ボクが北陽で(サッカーを)やっていたころは西は北陽なんて呼ばれた。大阪の力を見せたい」と宣言。勢いは本物だ。【益子浩一】