J1磐田に、いきなり「開幕正GK争い」が勃発(ぼっぱつ)!?

 26日に磐田・大久保グラウンドで始動したが、日本代表遠征中のGK川口能活(33)が、右ふくらはぎ肉離れで全治約3週間と診断されたことが判明。3月7日または8日の開幕戦(対山形)に間に合わない可能性が出てきた。絶対の守護神のアクシデントは、控えGK陣にとってはチャンス。川崎Fから期限付き加入してきた吉原慎也(30)と5年目の八田直樹(22)ら3人は、川口の穴を埋めるべく初日から精力的に体を動かした。

 初日とは思えぬ激しさだった。フィールド選手がインターバル走の中、GK陣だけは、実戦さながらにシュートを受け続けた。厳しいコースを突く森下GKコーチの蹴る、重く、時に無回転のボールに、3人は必死で食らいついた。新加入の吉原は「いきなりでしたね。でも、ついていこうと思った」。八田も「やってやるという思いがあるから楽しかった」と充実感を強調。突如、起こった開幕先発争いに「我こそは」と名乗りを上げた。

 正GK川口が、代表遠征で右ふくらはぎを肉離れした。日本協会からの連絡では「全治約3週間」。期間は合流の目安。実戦復帰はさらにかかる。開幕戦も微妙なケガに、柳下監督は「ふくらはぎはGKがよく使う部位。繰り返すと時間がかかる個所だから、じっくり治さないと」と頭を悩ませていた。その曇った表情を吹き飛ばす、闘志むき出しの猛練習だった。

 J13年目の吉原は、プロ入り当時は横浜Mで、川口の控えだった。サブGKの経験が長い分、やるべきことは分かっている。「どこにでも競争はある。モチベーションや悔しさを、常に練習から出したい」。5年目の八田も「今年はラストチャンスの気持ちでやる」と言い切る。「みんなが競争してやることが必要」と柳下監督。新人大畑を含め、3人しかいない控えGK陣の激しい競争が磐田の窮地を救う。【今村健人】