<北九州市長杯サッカー:岡山3-0福岡>◇7日◇北九州市・本城陸上競技場◇1回戦◇45分ハーフ

 福岡と鳥栖が、ともに格下の相手に敗れ、8日に早くも「九州ダービー」を戦うことになった。胸も背中もスポンサーのない新ユニホームで、初の対外試合を行った福岡は、今季からJに参入する岡山に0-3の完敗。鳥栖も決定力に欠き、JFLのニューウェーブ北九州に0-1の完封負けを喫した。

 上着に1カ所もスポンサー名のない新ユニホーム同様、初の対外試合は寒い内容だった。昨季のJ2で合計33得点のFW大久保哲哉、高橋泰(ともに28)の2トップを擁し、センターバックには元日本代表DF田中誠(33)。篠田善之監督(37)は「組み合わせを見きわめるための大会」と今季初戦を位置づけたが、リーグ開幕戦でも通用する布陣だった。しかし、直前の2日間で短時間の紅白戦をしただけのチームは、90分通して戦う状態には仕上がっていなかった。

 大久保、高橋の連係で何度かチャンスをつくったが、中盤と連動して攻撃を組み立てられない。最初のゴールはカウンター攻撃で、後半にはパスミスから失点し、最後はPK献上と、守備も安定性を欠いた。篠田監督は「結果は残念だが、まだ最初の試合。ゲーム感覚が戻れば心配はない」と話した。昨年も1回戦で岡山と対戦し、主力を温存して0-2で敗れたが、今大会は2試合に戦力を振り分け、調整色が濃いため指揮官にショックはない。

 チームは今後、実戦を重ねて仕上げることは可能だが、ユニホームは、そうはいかない。背中と、そで部分のスポンサー2社との契約更新が難航し、この日、お披露目された新ユニホームで広告がついているのはパンツ1カ所だけ。都筑興社長(67)は、観戦後「(パンツ以外のスポンサーは)まだ、めどが立っていない」と話した。新規契約先も探しているが、上着スポンサーなしで開幕を迎えることが濃厚だ。軍資金に不安を抱えたまま、福岡は4年ぶりの昇格を目指すことになる。【佐藤千晶】