<練習試合:仙台1-0G大阪>◇18日◇宮崎

 「中中」コンビの活躍でベガルタが、世界3位を振り切った。J2仙台がJ1G大阪に1-0で勝利。後半13分にFW中島裕希(24)が、頭で決勝点を挙げた。アシストはFW中原貴之(24)。昨季の開幕スタメンを張った2人が“金星”を演出し、昨年から上積みした連係力でゴールをゲット。2年連続の開幕先発2トップ結成を猛アピールした。

 G大阪のお株を奪う展開力だった。後半13分。DF朴から中央でパスを受けた中島が、右サイドのMF梁へ。すかさず梁がクロスを上げると、逆サイドのFW中原が頭で折り返す。中央に走り込んだのは、起点になった中島だ。体ごとゴールに飛び込むヘッドで、厚い壁をぶち破った。中島は「ごっつぁんなんで」と笑顔は隠したが「練習試合でもG大阪から点を取れて自信になった。この形を出せれば、どんなチームにも負けないっす」と胸を張った。

 相手は昨年のクラブW杯3位。しかも、負傷者を除く現段階のベストメンバーだった。MF遠藤や橋本、DF高木ら日本代表をそろえる集団に、ひと泡吹かせたのが「中中」だ。アシストの中原が「(中島の)癖も分かるくらい一緒にプレーしたので動きも自然」と言えば、中島も「ずっと2人でやってきた。苦しい場面でも近くでプレーすれば、もっと良くなる」と息もピッタリ。試合中も声をかけて位置関係を修正し、連係向上を図った。

 前夜の取り組みも奏功した。手倉森浩ヘッドコーチがバルセロナ(スペイン)やアルゼンチン代表のゴールを編集したDVDを、ミーティングで全員が観賞。偶然にも、18日と同じ形のフィニッシュ映像が多かった。中島は「映像を見て、FWはゴール前に詰めることが大事と思って試合に出たら、いきなり」と、してやったりだ。

 練習試合とはいえ、格上に勝った手倉森監督は「中島と中原が、今後も近い位置でプレーできれば頼もしい。コンビネーションにも自信を持ってるね」と満足そう。「FW争いに勝って昇格をつかむ」と声をそろえた「中中」が、今年も開幕ピッチに立つつもりだ。【木下淳】