東京FW平山相太(23)が21日のホーム山形戦で今季初先発することが確実となった。練習試合などで2戦3発を挙げた好調ぶりが評価され、20日の最終調整でも主力組に入った。アディダスからのスパイク契約延長の申し出をあえて断り、今季は国見高時代に愛用していたミズノに変更する。08年に北京五輪代表落選の悔しさを味わった男は、原点回帰で復活を目指し、自らのゴールで開幕連敗のチームを救う。

 今季、4番手FW扱いだった平山が一気にスタメンの座をつかんだ。15日サテライト千葉戦で2発、18日国士舘大戦でミドル弾まで決めてアピール。20日の最終調整でもレギュラー組に入り続けた。開幕から2戦連続ベンチ入りも、出場機会はなかった。今回は自らの手で奪い取ったチャンス。マイペースな男が「自分の開幕戦。自分としては得点してチームに貢献したい」と強い気持ちを口にした。

 08年は北京五輪落選、リーグ戦も24試合2得点と不本意なシーズンだった。「CHANGE」を求めたい今季、心機一転の決断をした。約5年間、スパイク契約を結んだアディダスからの延長オファーを断り「気持ち的な部分」を理由にミズノと契約する意向を固めた。怪物と呼ばれていた国見高校時代はミズノ製を愛用し、21日の山形戦も同社製を履く予定。09年を「サッカー人生を左右する年」と位置づけ、原点回帰の意味を込めて変更した。

 チームは開幕2連敗で17位と出遅れている。城福監督は「(平山は)今季、出ていないので意気込みがある。あってくれないと困る。この状況を脱したい、前に進みたい気持ちが強いと思う」と期待した。21日は同監督の48歳の誕生日。平山は「監督のバースデー勝利をきっかけに、優勝争いに加われるようにしたい」と今季初白星を贈ることだけに集中していた。【藤中栄二】