<J1:千葉1-1磐田>◇第5節◇11日◇フクアリ

 昨季、最終節まで残留争いを繰り広げた千葉と磐田の「未勝利対決」は1-1の引き分けに終わった。

 先制して追い付かれた千葉のミラー監督が「2点目が取れなかった」と悔しがった。追加点が奪えなかった磐田の柳下監督は「同点にしてからミスがでた」と振り返った。前半は千葉ペース、後半追いつくまでは磐田のリズム、しかし1-1になってからはゴールの気配もない「凡戦」。この日、横浜が大勝で抜け出して、ナビスコ杯を含めた公式戦今季勝ち星なしは千葉(5分け2敗)と磐田(4分け3敗)だけになった。

 「裏天王山」「残留決定戦」。シーズン5試合目にしてそんな言われ方をするほど、両チームの状態は悪かった。千葉が4試合で2得点なら、磐田は同じく12失点。昨季最終節まで激しい残留争いをしたトラウマなのか、シーズン終盤でもないのに勝ち点1を守るような試合になった。

 選手も監督も「きっかけさえあれば」と同じ言葉を口にする。しかし、自らその「きっかけ」を放棄しているのも確か。千葉FW深井は「リードを守ろうというわけではないけれど、後半は押し込まれて引いてしまった」と話した。勝てない試合が続けば、どうしても消極的になる。今季の千葉の公式戦引き分け5試合のうち、実に4試合は後半に追いつかれたものだ。

 ミラー監督は「前半は素晴らしかった」。柳下監督は「後半最初のようなプレーができれば」。ともに手応えを口にしたが、90分は続かない。結果も出ない。磐田GK川口は「今の時期は打ち合いでもいい。リスクを恐れず積極的にいかないと、勝ち点3は手に入らない」と言った。勝ちたい気持ちで相手を上回らない限り、トンネルの出口は見えてこない。【荻島弘一】