<J1:G大阪4-0柏>◇第11節◇10日◇万博

 男・播戸の裸祭だ!

 「浪速の闘魂FW」G大阪の播戸竜二(29)が、1年2カ月ぶりにゴールを決めた。ホーム柏戦に途中出場し、後半41分に右足で4点目のダメ押し弾を挙げた。外国人FWとの定位置争いに敗れ出場機会が激減。元日本代表も存在感が薄くなりつつあっただけに、得点後は上半身真っ裸になって警告を受けるほど、喜びを爆発させた。G大阪は4-0の快勝で3位に浮上。鹿島が勝ち、ホームで痛い逆転負けの浦和と首位を交代した。

 興奮して、脱いでしまった。後半41分。播戸は速攻からMF遠藤のパスを受けると、ワントラップして右足で豪快にダメ押しの4点目を決めた。久しぶりのゴールの感触に喜びを爆発させ、何を思ったのか突然、上半身素っ裸になった。右手に握りしめたユニホームを振りながらゴール裏を全速力で疾走。冷静になってピッチに戻ると、待っていたのは主審からのイエローカードだった。

 播戸

 完全に感情に任せてしまった。最近は試合に出れないし、点を取ったのは1年以上も前。ボクは結果を残さないと次はない。チームにしたら1つのゴールやけど、ボクにとったら大きい1点。でも退場にだけはならんくて良かった。

 苦しみから解放された。リーグ戦の得点は昨年3月30日東京V戦以来406日ぶり。今季はレアンドロとチョ・ジェジンの加入で定位置を失い、公式戦の先発は1度もない。練習場では「チームの輪を乱すから」と愚痴は言わないが、自分を見失いそうになったことは何度もあった。自宅へ戻り苦しみに耐えきれず酒の瓶を開けようとしたことがある。その時、日本代表として日の丸を背負った時の自分の姿が脳裏をかすめ、酒を台所の流しに捨てた。

 播戸

 酒や女の子と遊んで気を紛らわせたりもできるかも知れん。でも結局は自分のコンディションが悪くなって損をする。サッカーのストレスは、サッカーでしか解決できないんよ。

 母と妹へ贈るゴールでもあった。この日は妹の27歳の誕生日。「母の日」とも重なり、試合前に2人に「ゴールを決めるよ」とメールを送っていた。“有言実行”の一発で、ACL直後のリーグ戦は3連敗中だったチームも4得点の大勝。攻撃的ガンバの輪に、ようやく闘魂FWが戻ってきた。【益子浩一】