リーグ戦が中断期に入ったJ1の山形小林伸二監督(48)が27日、ここまでの戦いを振り返った。粘り強さを発揮して「予想以上」(同監督)の好スタートを切ったイレブンをたたえる一方、疲れなどからミスを連発した、5月の戦いぶりには不満顔。約1カ月のリーグ戦中断期間に連係を高め、再浮上を誓った。29日は、第1クールが終了したJ2の仙台手倉森誠監督(41)が振り返る。

 リーグ戦中断までに、ひそかに「10位以内」(小林監督)を狙っていた。降格の不安を感じず伸び伸びやれる-と指揮官は思い描いていた。だが現実は12位。J1の厳しさを味わった。

 小林監督

 高いところを目指しているチームなら、監督が替わる時期だよね。

 06年、当時J1のC大阪を指揮したが、志半ばに追われた。苦い思いを引き合いに出す指揮官は、不思議と明るい。青写真は狂ったが、チームの成長には確かな手応えがある。

 小林監督

 開幕戦で磐田に勝った(6-2)のが本当に大きかった。アウェーなので、よくて引き分けだと思ってた。あそこで負けていたら、疲れやら何やらドッと来てたと思う。勝てたのが3、4月の好調(4勝2分け2敗)につながった。

 初のJ1に備えクラブ史上最長となる「39日キャンプ」でみっちり鍛えた-と自らに言い聞かせてみたものの、やはり不安だった。だが、イレブンはキャンプ中にたたき込まれた「連動サッカー」で、下馬評を覆す快進撃を続けた。

 小林監督

 いいスタートを切ってくれた。予想以上。守備面では、シンプルにボールを前線に入れてサポートする部分と、昨年まではなかったボランチを使ってビルドアップ(攻撃の組み立て)することに(攻撃面に)成長がある。元気がいい時は、しっかり表現できてるし、負けてないんですけどね…。

 指揮官が苦笑いを浮かべたのが、5月に入っての3連敗だ。FW古橋ら故障者が続出しスタメンが変動。連戦疲れも重なった。

 小林監督

 ミスが出るようになった。前へのパスはミスしても、チームのバランスは崩れない。でも後ろ向きのパスでミスが出ると…。3連敗のところで、勝ち点を1個でも取れていればね。だけど初めてのJ1で、ミスが出ては勝てないことを選手が学んだと思うし、選手はよくやってると思います。

 16位以下が自動降格するJ1。現在の12位に「定着ということでは、どうなんだってところがある」という指揮官だが、約1カ月間での修正に自信を見せる。

 小林監督

 チームとしてやれている部分の質を伸ばし、やれていないことの理解を選手に求めていきます。連係ももう1回、確認。

 持ち前のハングリー精神を見失わず、J1定着へまい進する「小林モンテ」の再出発を、サポーターに約束した。【取材・構成

 山崎安昭】