J2仙台DF渡辺広大(22)が27日、第2クール初戦のアウェー水戸戦(30日)を前に、今季の全51試合出場を誓った。不動のセンターバック(CB)として開幕から全17試合に出場中で、99年のJリーグ加盟以降、仙台のDFで全試合出場の例はない。DF初の鉄人記録達成を、昨季までシーズン出場が最多でも11試合だった男が狙う。

 仙台で今季、開幕から全17試合にフルタイム出場しているのはGK林、DF菅井、渡辺の3人。昨季7試合出場の渡辺は、未体験の連続出場数にも「疲れなんて、まったくないですね。試合に出られるだけで幸せ」と話した上で「まだ第1クール。もっと練習して全フル出場したい」と続けた。

 飛躍の年になった。市船橋(千葉)で主将を務めた04年度に、高校総体と選手権で準優勝。05年に鳴り物入りで加入したが、プロの壁は厚かった。年間の最多出場は06、07年の11試合。「試合に出られても、過緊張で周りが何も見えなくなる状態だった」という。

 昨年5月以降は約半年間も起用されなかったが、高木フィジカルコーチと徹底的に下半身を強化。同12月のJ1磐田との入れ替え戦で先発の座をつかみ、敗れたものの極度の緊張状態での試合で、過緊張を克服した。昨年11月に長女彩乃ちゃんが誕生したことも「娘の世話で練習後やオフの在宅率が高くなった。疲れが取れる」とプラスにした。

 目標の全試合出場を果たせば、仙台のDFでは初めて。「出場はもちろんですけど、失点しなければチームは負けない。今後も毎試合、課題を修正してチームに貢献したい」と渡辺。22歳の若武者が第2クール以降も成長する。【木下淳】