J2仙台が、元J2甲府のブラジル人FWサーレス(23)を獲得することが19日、濃厚になった。12日から仙台の練習に参加しており、合否の判断材料と位置付けられた、この日の紅白戦に出場。約20分間のプレーで存在感を発揮し、手倉森誠監督(41)から「うちのスタイルに合いそう。『いい選手』とフロントに伝えたい」と評価された。昇格に向けた後半戦の「切り札テスト」。合格目前だ。

 J1復帰へ。仙台の切る最後のカードは、この男になりそうだ。昇格レースをにらみ1枠を余していた、外国籍選手3枠。その最後の候補として練習参加していたサーレスが、この日の紅白戦=入団テストで高評価を受けた。控え組でFW田中と2トップを組み、約20分間の出場でポストプレーやパス&ゴーなど持ち味を発揮。「短い時間の中で自分の力を出し切ることができた」と汗をぬぐった。

 ゴールこそ奪えなかったが、イレブンから「アクションが大きくてパスを出しやすい」と認められた。見守った指揮官の目にも「合格」サインが点灯した。

 手倉森監督

 紅白戦でJ2最少失点(13失点)の主力組のDF相手にボールをキープできるし、裏への飛び出しとか自分のタイミングを持ってる。さすが。あとは、お金の問題か。フロントには「彼の持ち味は仙台のスタイルに合いそう。いい選手」と伝えたい。

 丹治強化部長も「監督と話し合ったが、サーレスの持ち味は感じた。合否の結果は来週にも出す」と慎重に話した。獲得した場合のメリットは大きい。国際サッカー連盟(FIFA)が定める今季途中の外国人登録期間は7月17日~8月14日。昨季は途中補強したFWナジソンが融合する時間がなかったが、今回、サーレスを獲得すれば出場登録が可能な日まで準備期間がある。手倉森監督も「仲間とコンビネーションをつくる時間が生まれる。サーレスにとってキャンプ期間みたいなもの」と話した。

 結論は持ち越され、サーレスは20日以降も練習参加する。最速で7月19日の鳥栖戦から出場可能だ。【木下淳】