<J1:新潟2-0G大阪>◇第14節◇20日◇万博

 G大阪が約1カ月ぶりのリーグ再開となったホーム新潟戦で、0-2と完敗した。「超攻撃」を掲げる自慢のパスサッカーは決定力不足で、3試合連続の無得点と深刻だ。右太もも裏痛の日本代表MF遠藤保仁(29)が今季リーグ戦初のベンチ外。別メニュー調整中のFWレアンドロ、MF明神、出場停止のDF山口と主力4人の欠場が響いた。西野朗監督(54)は「個人に頼りすぎていることを露呈してしまった」と嘆いた。

 打っても打っても入らない。2点を追う後半ロスタイム、DF下平の左クロスにFWチョ・ジェジンが頭で合わせたが、ボールは右ポストを直撃。チョは大の字のなり、しばらく動けなかった。新潟の7本を大きく上回るシュート24本を放ったが、1点も奪えない。遠藤、レアンドロを欠いた布陣では「超攻撃」には、ほど遠かった。

 西野監督

 要するに個人に頼りすぎていることを露呈してしまった。誰かがいなくなっても、同じスタイルのサッカーをやらないと…。たくさんの(攻め方の)オプションを持っていないと苦しくなる。

 6試合ぶりの先発となったMF安田、今季リーグ初先発のMF倉田は、持ち味を発揮できずに前半終了で交代。3試合連続の無得点は96年8月以来、実に13年ぶり4度目のワーストタイ記録だ。MF橋本は「攻撃にリズムがなかった。テンポアップできなかった」と悔しがった。守備でもマークの甘さをつかれ2失点。DF高木が今季リーグ戦で初先発したが、西野監督が「まだ厳しい」と評したように山口の穴を埋めることはできなかった。

 首位鹿島とは勝ち点12差と開き、王座奪回へ苦しい状況に立たされた。エースFWレアンドロは24日のACL川崎F戦(万博)に間に合う見込みだが、遠藤と右足首痛の明神は復帰のメドが立っていない。「この試合をベースにしたかったが、リスタートしないといけない。ノックアウト(一発勝負)のACLも厳しい状況だ」と指揮官は“収穫ゼロ”に首をかしげた。迫力ある「超攻撃」を取り戻すしか、G大阪がトンネルから抜け出す道はない。【奈島宏樹】