<東北高校サッカー:東北2-1聖和学園>◇22日◇決勝◇山形・小真木原総合運動公園
「へたくそ軍団」が技巧派集団を撃破した。再延長の末、東北が聖和学園(ともに宮城)に2-1で逆転勝利。延長まで90分を戦い、両者無得点だったが、再延長のわずか3分間に、3得点が決まるという劇的な展開。決勝点はMF嶺岸佳介主将(3年)が決めた。東北は15年ぶり3度目の王者に輝いた。
まじめに、実直に、東北イレブンは110分間を走り抜いた。聖和学園の美しいドリブルとパスを、伝統の堅守で封じ込めた。小野弘信監督(42)は「(聖和学園の)太田ら、キーマンにドリブルするスペースを与えるな」と指示。それを最後まで守り続けた。
その我慢が再延長に実った。同前半3分に先制を許したが、気持ちを切らさず、1分後にMF柏崎光次郎(3年)が頭で同点弾。その2分後には、嶺岸主将が左足で試合を決めた。
県新人戦、プリンスリーグで連敗中の相手だった。大森貞夫総監督(57)から「お前らは、へたくその代表だ。でもまじめにやれば、うまい相手にだって勝てる」と言われ続け、同じ相手に3度負けないために努力した。同校の泉校舎-小松島校舎間の約10キロを頻繁に走ることで、体力をつけた。
結束力も強かった。大会期間中、ホテルの2人部屋にメンバー22人が集まり、ぎゅうぎゅう詰めでミーティングを開催。1時間の予定も、発起人の嶺岸主将が終了のアラームが鳴っても話し続け、毎日30分延長していたという。だがそのおかげで“延長戦”にも慣れ、意思統一もできた。
宿敵を破り、4月に就任した小野監督が初タイトルを獲得した。だが嶺岸主将は油断しない。「聖和はまたうまくなってくる。僕らはそれを超える」。意識はすでに、冬の高校選手権に向いていた。【三須一紀】



