J1清水MF伊東輝悦(34)が、27日の東京戦(午後7時、国立)で、前人未到のJ1リーグ通算450試合出場を達成する。J創設の93年から、清水一筋で今季17年目。J最多出場記録を持つ「鉄人」は、チームの2年ぶりの4連勝を目指し、日本サッカーの聖地のピッチに立つ。

 いつも通りに、450試合目を迎える。非公開で約1時間の軽めの調整。伊東は序盤のボール回しでは笑顔を見せて、一回りも年が離れた若手たちと一緒に汗を流した。「ここまでやってきたんだから、今さら何かを変えようとは思わない。(最多出場は)珍しいとは思うけど、こんな選手がいてもいいんじゃない」と、独特の言い回しで話した。

 本能が伊東の体を突き動かしてきた。96年アトランタ五輪のブラジル戦で「マイアミの奇跡」の決勝点を挙げ、日本サッカー界に残る歴史的勝利の立役者となった。「あれも本能だよね。結構長い距離走ったけど、感覚的にボールがくると思ったんだよね」と懐かしそうに振り返った。プレーだけではない。杉本フィジカルコーチは「マッサージもほとんどしない。アスリートとして自然に体と会話できてるんだと思う。『奇跡のおじさん』だよね」と、科学的には説明できない、衰え知らずの肉体に驚きの表情だ。

 メモリアルゲームの舞台は、03年以来6連敗中の国立。最近では、06年1月1日の天皇杯決勝(対浦和、1●2)、昨年のナビスコ杯決勝(対大分、0●2)と大一番で涙をのんでいる。「明日の試合は大事な試合」とわざわざ前置きした上で「でも、タイトルがかかった試合じゃない。大丈夫でしょ」と笑い飛ばした。今年で35歳を迎える「鉄人・テル」は、自らの出場記録と同時に、チームの連勝も伸ばす。【為田聡史】